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コラム概要

第53回コラム 「タクシー業界も知財を強みに」

2020年7月29日

 今月は、墨田区立川3-18-2にある元徳稲荷神社を紹介します。本元徳稲荷は、三河岡崎に所在した川村徳右衛門が、江戸に転居後も邸内に氏神として祀っていた社です。明暦三年の江戸大火後に邸内から移転したことにより、元徳右衛門内に所在したとのことで、元徳稲荷と称されたといわれています。(余談ですが、我が生家の屋号も「徳右衛門」でした。)

【元徳稲荷正面】

  【神額】(筆者において撮影)

【地図】

*1:明暦3年旧暦1月18日から20日(1657年3月2日 - 4日)までに江戸の大半を焼いた大火災。江戸城天守も焼失し、その後再建されていない。

 今回は、2020年07月にTV、新聞等で報道された、極めて珍しいタクシー業界の商標権侵害事件を紹介します。
 報道によれば、香川県琴平町に所在する琴平バス株式会社(以下「琴平バス」という。)が、高松市に所在する有限会社空港サービス(以下「空港サービス」という。)を商標権侵害で高松地裁に提訴したということです。
 早速、J-Plat-Patを使って琴平バスの商標権を調べてみました。登録済み及び出願中を含めて10件ヒットしました。
 今回提訴した商標権に係る商標は、「うどんタクシー」(標準文字)です。
 指定役務:第39類 車両による輸送,主催旅行の実施,旅行者の案内,旅行に関する契約(宿泊に関するものを除く。)の代理・媒介又は取次ぎ
 登録番号:第4789305号
 登録日:平成16(2004)年 7月 23日
 出願日:平成15(2003)年 8月 4日

 琴平バスは、2003年8月から「うどんタクシー」のサービスを開始しています。
 サービスの内容は、うどん有名店をタクシーによって巡り、車内では、運転手さんから、うどんの歴史、文化、食べ方、注文のシステム等、うどんに関する「うんちく」のレクチャーや、観光の案内を受けられるというものです(下記HPコピーを参照)。本サービスは、各種メディアで紹介され、好評のようです。

 琴平バスは、このサービス内容を、商標「うどんタクシー」として見える化し、商標権化した点で、とても良い経営戦略、知財戦略であると考えます。タクシー業界は、知財から遠い存在と思われますが、知財とは無縁ではないことは明かです。「先んずれば人を制す」、「知財の見える化」の重要性を再認識した次第です。


 一方、空港サービスは、詳細は不明ですが、「うどんタクシー」の名称を使って営業をしているようです。同社は、恐らく、商標調査もせずに、好評な「うどんタクシー」を用いて営業をしたのではないでしょうか。善意に解釈すれば、「うどんタクシー」は一般名称化しているので商標権の効力は及ばない(商標法第26条)と考えたのかも知れません。確かに、普通名称「うどん」と「タクシー」の結合商標であるため、そのように考えることも出来なくはないですが、少数意見と考えます。採用前の商標調査の重要性を、改めて認識した次第です。


以上

本谷 孝夫(ほんや・たかお)

本谷国際特許事務所 所長(弁理士)
℡ 03-6820-8285
『特許等知的財産に関する無料相談を実施中です。
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https://honyasama.wordpress.com

略歴 日産自動車㈱で30年近く特許業務に従事
   その後旭精工㈱で知財の責任者として活躍
   (旭精工㈱は、平成22年に特許庁知財功労賞を受賞)
   平成24年11月事務所を開設。

本谷弁理士
  • 電子認証局会議
  • 株式会社日本電子公証機構 認証サービス iPROVE
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